マーケティングコラム
テレビCMは中小企業でも使える?
費用と活用法

「テレビCMって、うちみたいな会社でも使えるんですか?」
多摩・立川エリアの経営者の方と話していると、ときどきこんな質問をいただきます。だいたい皆さん、半分冗談っぽく「まあ無理でしょうけど」という前置きつきで聞いてくることが多いです。
正直にお答えすると、使えます。しかも、思っているよりずっと現実的な金額で。
「うちみたいな地域の会社が出しても意味ないよね」
「そもそもどうやって頼めばいいのかわからない」
こういうイメージ、実はもう10年近く前の話なんです。テレビCMの世界は、思っている以上に変わりました。
この記事では、テレビCMが中小企業にとってどういう意味を持つ媒体なのか、費用はいくらからなのか、そしてどう使えば意味のある投資になるのかを、できるだけ正直に解説していきます。
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なぜ今、テレビCMは中小企業でも手が届くようになったのか
一昔前、テレビCMは「大企業がタイム番組を丸ごとスポンサードする」ものでした。数千万円規模の予算がないと入り口にすら立てない、そんな世界です。
流れが変わったのは、CM枠が1本単位で買えるようになったこと。ラクスルの「ノバセル」のように、CM枠をオンラインで購入でき、放映後の効果もある程度見える化できるサービスが登場したのもこの流れの象徴です。加えて、地方局・BS放送という選択肢を使えば、そもそも全国キー局よりずっと少ない予算で枠が確保できます。
「1枠から買える」時代になった、というのがこの10年でいちばん大きな変化です。
もちろん、Web広告のように数千円から試せるわけではありません。それでも、「中小企業には縁のない世界」という思い込みは、いったん外して考えていい段階に来ています。
テレビCMを使う意義とは?「今すぐ客」ではなく「認知・信頼」を獲得する媒体

以前の記事でGoogle広告について「今すぐ探している人にだけ届けられる」媒体だとお伝えしました。テレビCMは、その対極にあります。
検索広告が「今すぐ客」を捕まえる媒体だとしたら、テレビCMは「まだ知らない人」に存在を刷り込む媒体です。見てすぐに問い合わせにつながることは、正直あまり期待できません。ただ、しばらくしてから「あのCMの会社、気になるな~」と検索してもらえることはあります。そうやって、じわじわじわじわ、記憶に残していくのがテレビCMの役割です。
なので、テレビCMに「広告費をかけたらすぐ問い合わせが増えるぞ!」という期待を持って始めると、たぶんがっかりします。これは失敗というより、そもそも役割が違うだけの話です。
向いているかどうかは「業種」より「条件」で決まる
「この業種は向いている」「BtoBは向いていない」といったイメージだけで語られがちですが、実際は業種だけで判断するのはちょっと乱暴ですね。テレビCMが効くかどうかは、業種そのものより次の3つの条件で決まります。
ローカル局でも、放送エリアは市域〜県域に及びます。1店舗だけの店舗ビジネスだと、CMが届く範囲のほとんどは「利用できない人」になってしまい、コストに見合いません。逆に、多摩エリア全体に教室を展開している学習塾や、複数の院を構えるクリニックのように、エリア全体を商圏にしているビジネスなら、届く範囲と利用できる範囲がぐっと近づきます。
注文住宅、リフォーム、車、葬儀、保険――こうした検討期間の長い商材は、「いざという時に思い出してもらう」効果とテレビCMの相性がいいです。逆に、今日明日で決めてもらう必要がある商材には向きません。
CMを見て検索してくれた人が、たどり着いたホームページで「何をしている会社かわからない」状態だと、そこで離脱してしまいます。広告費をかけるほど、受け皿の弱さがもったいなくなります。
「BtoBだからテレビCMは向かない」というのも、実は正確ではありません。近年、採用力の強化や取引先からの信頼獲得を目的に、テレビCMを活用するBtoB企業は増えています。商材の説明が複雑すぎて15秒30秒で伝えきれない場合は工夫が要りますが、「BtoBだから、この業種だから無理」ということはありません。大事なのは、認知や信頼づくりという目的にはっきり合っているかどうかです。
地方局とBS放送、中小企業ならどちらを選ぶべきか
テレビCMには、全国キー局・地方局(ローカル局)・BS放送・CS放送といくつか選択肢があります。ただ、全国キー局は予算感が一気に跳ね上がるため、多摩エリアの中小企業にとって現実的な選択肢は、地方局とBS放送の2つに絞られてきます。
📺 地方局(ローカル局)
特定のエリアだけに向けて放送する局です。多摩エリアなら関東ローカル局が対象になります。「この地域の人にだけ届けたい」という商圏がはっきりしているビジネスに向いています。
15秒のスポットCMなら、放送単価1本1万円程度からという局もありますが、実際に出稿するとなると、多くの地方局で最低出稿金額の目安が30万円前後からと考えておくとよいでしょう。撮影なしの映像で組む場合、放映3〜7回程度、制作費込みで最低30~50万円ほどから始められます。
🛰️ BS放送
衛星を使って全国に届く放送です。BS放送は15秒1本あたり5万〜10万円程度が目安で、これで全国配信ができます。多摩エリア限定というより「全国のどこかにいる見込み客」にも広く認知を広げたい、という企業に向いています。
テレビCMには「1週間あたりの放送量は総放送時間の18%以内」という業界ルールがあります。特に視聴率の高いゴールデンタイム・プライムタイムは枠の競争が激しく、価格も上がりやすい時間帯です。中小企業がまず検討するなら、比較的安価な日中・早朝・深夜の時間帯から試すのが現実的です。
ラクスルのようなセルフサービス型と、代理店に頼む方法の違い
CM枠をオンラインで購入できる、セルフサービス型のサービスも近年は選択肢のひとつです。ラクスルの「ノバセル」がその代表例で、CM枠の購入から放映後の効果測定まで一気通貫でできるのが特徴です。
こうしたセルフサービス型のサービスも、近年は企画やプランニングまでサポートする形に進化してきています。ただ、あくまで全国規模での運用を前提にしたサービスであることが多く、「多摩・立川エリアだけに絞って、まずは30万円くらいから試したい」というような、地域限定・小予算の相談には、必ずしも小回りが利くとは限りません。
テレビCMは今も効くのか?世代別の視聴データで見る現実
「今どきテレビなんて見られてるの?」という疑問、正直よくわかります。ここも正直にお答えします。
NHK放送文化研究所が2026年6月に公表した「2025年国民生活時間調査」によると、平日にリアルタイムでテレビを15分以上見た人の割合は、世代によってかなり差があります。
70歳以上に至っては約92%です。実はこの調査、60代以上の視聴割合が調査開始以来はじめて減少に転じたというニュースにもなりました。テレビ離れは、もう若者だけの話ではなくなってきています。
とはいえ、世代間の差は依然として大きいのが現実です。
シニア層への到達力という意味では、テレビCMは他のどの媒体と比べても今なお頭ひとつ抜けています。介護、リフォーム、クリニック、士業など、シニア層が意思決定に関わる商材とは、まだまだ相性がいい媒体だといえます。
費用はいくらから?予算別に見てみます
撮影なしの映像で、地方局に3〜7回ほど放映するプランです。「本当に自社に合うのか、まず試したい」という段階に向いています。BS放送なら、この予算感で15秒CMを数本、全国に配信することもできます。
撮影ありの映像を制作し、地方局で15〜25回ほど放映できる金額感です。「これから継続的に認知を積み上げていきたい」というフェーズはこのあたりから。地方局とBS放送を組み合わせる設計もこの予算から検討できます。
撮影ありの映像で、放映回数を大きく増やせる予算感です。採用ブランディングや、多摩エリア全体での認知獲得を本格的に狙うフェーズで検討されることが多いです。
Web広告と同じく、テレビCMも「放映費」と「制作費」は別物です。見積もりをもらうときは、この2つの内訳を必ず確認してください。
キキグループができること
正直なところ、テレビCM出稿ができる地域のローカル代理店は多くありません。放送局・新聞社との直接取引口座がないと出稿できないため、地域の小さな制作会社では対応できないケースがほとんどだからです。
キキグループは前職が総合広告代理店だったこともあり、テレビCM・新聞広告のマスメディア出稿にも対応しています。「デジタルだけでは頭打ちになってきた」「採用のために会社の認知を上げたい」という多摩・立川エリアの企業様に、他のローカル代理店にはない選択肢を提供できるのが強みです。
もちろん、テレビCMがすべての企業に向いているとは考えていません。放送エリアと商圏が合っているか、受け皿となるホームページが整っているか――そのあたりも含めて、まずは正直にお話しさせてください。
「うちの場合、テレビCMは意味があるんだろうか」
その相談段階からで大丈夫です。
まとめ
- テレビCMは、CM枠を1本単位で買える時代になり、中小企業にとっても現実的な選択肢になってきている
- 役割はWeb広告と違い、「今すぐ客」ではなく「認知・信頼」を積み上げる媒体である
- 向き不向きは業種ではなく、放送エリアと商圏の一致・信頼形成に時間をかけられるか・受け皿が整っているかで決まる
- 中小企業が現実的に検討できるのは地方局とBS放送で、30万円前後からスタートできる
- シニア層への到達力は今も他の媒体より頭ひとつ抜けている
- テレビ局との直接取引口座を持つ代理店は限られており、キキグループはその数少ない選択肢のひとつ